トレリンコラム
防災意識を高めよう!自然災害に備えて私たちが日頃からしておくべきこと(後編)
■タワーマンション(高層マンション)での防災
最近は都市部を中心にタワーマンションと呼ばれる、高層マンションが増えつつあります。タワーマンションは耐震性能がとても高く、購入前にも安全性に納得して購入したという人がほとんどですよね。
でも建物がどれだけ耐震性能に優れていても、いざ大地震や記録的な大雨などが発生すると、タワーマンションならではのトラブルが発生します。具体的にどのようなトラブルが起きるのか、いくつか例を見ていきましょう。
・上層階ほど大きく揺れて家具が倒れたり動いたりしやすい
・設備の状況が確認されるまでトイレに水を流してはいけない
・エレベーターの復旧には数日から3週間程度かかることもある
・マンションのセキュリティが低下
これだけでは、どう備えればいいかイメージできないかと思いますので、ここに挙げたトラブルごとに、対策や対処方法をご紹介していきます。
●上層階ほど大きく揺れて家具が倒れたり動いたりしやすい
タワーマンションなどの高層マンションは、震度6の大地震でも耐えられる構造になっており、想定外の大地震にならなければ、建物そのものが倒壊することはありません。ただ、その代わりではありませんが、一般的な建物よりも揺れやすいといった問題があります。
それも上層階になればなるほど揺れが大きくなる傾向にあり、家具を固定していない場合には、本棚や食器棚など背の高い家具が倒れ、下敷きになってしまう可能性があります。そうならないためにも、家具は金具などでしっかりと固定しておかなくてはいけません。
また、部屋ごとに家具が絶対に倒れてこない、安全エリアを確保しましょう。たとえば寝室ならベッドを設置するエリアを安全エリアにして、そちら方向に家具が倒れないように、レイアウトを見直しておきましょう。
●設備の状況が確認されるまでトイレに水を流してはいけない
自然災害により停電が起きると、タワーマンションではトイレが使用不可になります。給水ポンプが止まるので水が流れてきませんし、排水ポンプも止まるため汚水がマンション内の配管に溜まり、使用不可にしないと下水管を通じて下層階の部屋に逆流してくるためです。
これは実際に武蔵小杉のタワーマンションで起きたトラブルで、台風により停電と断水が発生し、トイレが使えなくなりました。このときはマンションが備蓄していた携帯トイレがあり、事なきを得ましたが、自分の暮らしているマンションが大丈夫かどうかはわかりません。
用意されていなかったときに慌てずに済むように、自宅に携帯トイレを用意しておくのがおすすめです。匂いが広まらないように凝固剤が入っているものを選び、衛生面も考えてビニール袋も多めに用意しておいてください。
当社でも簡単に組み立てられるダンボール製の災害便器を販売しており、すでに多くの人に購入していただいています。ダンボール製ですが耐荷重が300kgもあるので、大人が使用しても変形することもなく、ビニール袋や凝固剤、結束バンドも同梱しています。
災害発生時にはタワーマンションに限らず、集合住宅では必ずといっていいほど問題になるのがトイレの処理です。その問題に悩まされないようにするためにも、災害便器のような携帯トイレや簡易トイレを自宅に備えておきましょう。
(画像をクリックすると「災害便器」の商品ページにとびます)
●エレベーターの復旧には数日、3週間程度かかることもある
タワーマンションで困るのが、停電によりエレベーターが動かなくなることです。そもそも電気の復旧に時間がかかりますし、すぐに回復したとしても、大きな地震が起きたあとは、点検が済んでからでないとエレベーターを利用できません。
低層階なら非常階段を使えますが、30階とか40階とかにもなってくると、外出するのも嫌になりますよね。ところがエレベーターに破損があると、その修理に数週間かかるため、一時的にどこか別の場所で暮らす必要も出てきます。
これに対しては備えられることはほとんどありませんが、日頃から運動をして、自分の部屋まで階段で上がれるだけの体力を付けておいてください。
●マンションのセキュリティが低下
タワーマンションに限ったことではありませんが、停電が発生するとマンションのエントランスでは自動ドアのロックが解除された状態になり、手動で開閉できてしまいます。さらに防犯カメラも録画が止まるため、マンションのセキュリティが大きく下がってしまいます。
停電が解消されるまでは誰でも簡単に出入りできる状態になり、泥棒などに侵入されてしまうかもしれません。そうならないためにも、自宅の部屋はしっかりと鍵をかけておき、マンションの内側に侵入されても、被害が起きないように備えておきましょう。
■まとめ
自然災害は必ず起こるもので、誰もが明日にでも被災者になる可能性があります。それを回避することはできませんが、きちんと防災意識を高めて、自然災害に備えておけば、実際に災害が発生したときに慌てることなく冷静に対処できます。
ただし、自然災害にどう備えればいいのか、その対策方法は常にアップデートされており、防災グッズも新しいものが次々と発売されています。1度準備をしたらそれで終わりというわけではなく、定期的に備蓄や防災対策の知識の見直しを行ってください。
いつ発生するかわからないものなので、防災対策はどうしても先送りしがちですが、それで困るのは自分自身です。家族などの大切な人を守るためにも、ここでご紹介した内容を参考にして、しっかりと自然災害に対して備えておきましょう。